オリフィス式トラップの歩み

【ワットが蒸気機関を発明した時からトラップの歴史は始まる】
初めはオリフィストラップであったが、当時のオリフィスに対する知識/技術レベルは低く、蒸気漏れが多い、機能的に不十分なトラップであった。そのため、様々なトラップ技術が開発され、改良されてきた。これらの技術の多くは、気体(蒸気)と液体(ドレン)の質量差を利用したもので、ドレンを一旦溜めてから排出するという、間欠作動のトラップが中心であった。これらは、仮に初期性能が良好でも、作動頻度が高いことから、比較的短時間に性能劣化するという欠点がある。大きく作動頻度を減らせば寿命は延びるが、商品価格が高くなるとともに、漏れ始めるとその損失は巨大になり、一概に得策とは言えない。

【アメリカ海軍での目覚ましい実績:第一世代】
1970年代、米国海軍では軍艦の航続距離を延伸とメンテナンス低減に取り組み、その主題の一つがトラップであった。 軍艦という限られたスペースに設置するため、コンパクトで軽量なオリフィス式は有力な候補であり、テスト段階から、オリフィス設計を適切に行えば相当な省エネとなることが判明した。また、動作部品が無いため、メンテナンスフリーを実現させることも可能となった。100隻以上の軍艦に採用された結果、年間875千バレルの燃料節約となり、メンテナンス費用節減約1億円と併せて合計1080万ドル(約20億円)/年の節減となった。
この節減効果により、1977年5月、カーター大統領は、発明者である海軍エンジニアのローレンス・L・ガシック氏に功労賞を与えている。それに先立ち、民生化も行われていたので、1976年に省エネルギー開発推進の賞である、ジョン・C・バーラー賞も受賞している。

【これまでの日本のオリフィス式トラップ:第二世代】
日本では、1980年頃から輸入販売する会社が現れている。1983年には相当品が国内で製造販売され始めているが、従来のトラップに対する常識からかなりかけ離れていることもあり、シェアを伸ばすには至らなかった。
しかし、近年、日本でも京都議定書や改正省エネ法を受け、オリフィス式トラップの効用が急に注目されるようになった。NEDO(新エネルギー産業技術開発機構)でも、オリフィス式トラップの省エネ性能と長期間性能維持を認め、トラップでは唯一、オリフィス式トラップへの更新を省エネ事業として認定し、補助金(投資額の30%)を出すことになった。

第二世代のオリフィス式トラップとは、少流量への対応を考慮して多段化されたものであるが、十分な効力は無く、少流量領域でのオリフィス詰まりを解消するにはいたらなかった。

【オリフィス式トラップの現在と今後:第三世代】
◆エコトラップ◆という、インタラプターを装備した第三世代オリフィス式トラップの出現により、これまで対応が難しかった少流量領域でも、オリフィス式トラップの普及が加速した。インタラプターは、オリフィス口径の拡大を果たしただけでなく、使用可能領域を50%以上拡大する効果もあり、使い勝手が飛躍的に向上した。
今後は、省エネルギー、コストダウン、地球温暖化防止等の観点から、故障がなく蒸気漏れも少ないオリフィス式、中でも使い勝手を大きく向上させた新世代オリフィス式のエコトラップが、トラップの中でも大きな柱となっていくと考えられる。

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